紛糾・迷走! 2009年東京都議会第4回定例会閉幕

都議会第4回定例会は12月1日から16日まで開催されました。景気対策としての補正予算などのほかは,大きな争点になる議案はなく、淡々と進むかに見えたのはつかの間、決算認定や経済・港湾委員会での築地市場や新銀行問題の参考人招致などで、与野党の駆け引きが激しく火花を散らし、理事会が深夜に及ぶこともしばしばでした。

2008年度一般会計決算に「不認定」

2008年度決算の各会計については、9月から特別委員会が設置され審議を深めてきました。12月2日の表決にあたって生活者ネットワーク・みらいは、すでに1016億円の損出を出しておきながら400億円の追加出資を行なった「新銀行東京」問題や、費用対効果について検証もされないままの「オリンピック招致」活動および150億円の使途など、情報公開と責任の所在が不十分であることをもって、不認定と判断。民主・共産・自治市民も不認定としたため、2008年度一般会計決算は不認定となりました。

議会として決算を「不認定」とするのは確かに非常に異例のことです。しかし自民党から「不認定によって議会の決算審査の継続性を途切れさせてしまうことになり、重大かつ異常な事態で、これを収拾しなかった議長の責任を問う」という理由で「議長不信任案」が出されたことには、議会を熟知した大会派のやるべきことかと驚きを禁じ得ません。

各会派が責任を持って判断をした結果である決算特別委員会の不認定という決定に、議長が恣意的に介入することは、議長の職責の不当な拡大であり、議会の秩序を乱すことであって、決して許されるものではなく、ネットは議長不信任案には「反対」しました。

決算審査は、単に計算に間違いがないか、支出に符合しているのか、収支は適法であるかなどをチェックするだけではなく、次年度以降の予算編成に当たって是正すべき事項を示すことも重要な役割であり、その内容は審議の中で充分に行政側にも伝わったと考えます。そして不認定とした議会の責任も一層重くなったことを自覚するとともに、知事にもこの決定を重く受け止めるよう要望しました。

今回議決した補正予算はいずれも、緊急に必要な事業を実施するために、基金として一時積み立てられ、今年度実施可能な事業について必要額が計上されたものです。医療・保育・教育・介護・雇用・住宅などの諸課題の根底には、「生活の貧困」の進行があり、その救済に向けて、早急にかつ無駄なく地域で事業が行われるよう、都の迅速な事務執行が望まれます。

本会議は終了しましたが、オリンピック招致、新銀行東京、築地市場移転などの問題は早急に議論を進め、都民の疑問・不安に応えることが議会の責任です。与野党の政治的駆け引きに振り回される議会運営は都民の望むものではありません。

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