武蔵野市情報公開条例改正について

武蔵野市議会議員 古林わか子 
武蔵野・生活者ネットワーク

 武蔵野市では、他市に先駆け1989年に現行の情報公開条例が制定されました。国の情報公開法の制定、東京都の条例改正など近年情報公開に関わる状況も変わり、行政情報について市民の関心が高まっています。市は昨年、現行条例の改正作業を始め、公募の市民を含む改正検討懇談会の答申が5月に出された後、今年1月中に改正案が提案される予定です。

 ここ数年、市民グループによる近隣他市との情報公開度の比較検討・改正市民案づくりや、市の外郭団体「土地開発公社」の土地購入にまつわる訴訟問題など、「情報非公開」な市の姿勢の転換を求める市民要求は高まっています。私が昨年3月に質問した際の市長の答弁では、個人情報については、個人の不利益にならない限り公開するという「プライバシー保護型」への改正を表明していたにもかかわらず、現在は個人名またはそれが特定されるものはすべて非公開(いわゆる黒塗り)となる「個人識別型」に後退しています。議会での論議も、個人識別型かプライバシー保護型かという問題が争点にならざるを得ない状況です。

武蔵野・生活者ネットワークが所属する会派「21民主」として、
・目的に市民の「知る権利」と市民への「説明責任」を明記
・請求権者は広く「何人も」
・手数料は無料(コピー代等は実費)
・外郭団体の情報公開も義務付け
などのポイントをまとめました。

 また、学習会・市民集会を重ねてきた「市民のための情報公開懇談会」(事務局・市職員労働組合)では、昨年12月市に提言を提出し、その中で、意思形成過程の情報も対象とし、オンブズ機能をもたせた情報公開委員会の設置などを謳っています。

 相前後して、情報公開条例と裏表の関係になる個人情報保護条例の改正も提案される予定です。21世紀は市民の時代ともいわれる今、市民自治の前提として欠かせない情報公開のあり方は、行政・市民双方が共に考えていかなければいけない課題です。一部の報道で「市民参加度全国一」と評された武蔵野市が、どのような条例改正をするのか、ご注目ください。

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