東京都議会2022年第1回定例会を終えて

2022年第1回定例会を終えて(談話)

2022年3月25日

  都議会生活者ネットワーク  岩永 やす代

 

 

本日第1回定例会が閉会しました。

2022年度一般会計の予算規模は、企業収益の持ち直しによる都税収入増のため、過去最大になりました。新型コロナウイルスオミクロン株による第6波は、ようやく減少傾向となっていますが、2年におよぶコロナ禍で失業が長期化し、失業率が高止まりするなかでの企業収益増は、格差を固定化する社会のひずみを示しています。

全世界がコロナで疲弊しているなか、突然ロシアがウクライナへ侵攻、戦争は子どもたちを巻き添えにし、悲惨さを増しています。この戦争により、日本でも原油やガス、小麦の値上がりが始まり、影響が続き出口が見えない状況です。市民の身近な経済状況も改善しているとは言えず、貧困問題、雇用問題は一向に解決せず、格差はさらに広がり、社会を閉塞感が覆っています。山積する課題に取り組み、社会不安を和らげるための落ち着いた都政運営が求められます。

 

  • 動き出す「こども基本条例」

「こども基本条例」が制定されて1年。2022年度予算では子ども施策の予算が拡充しました。新設される「子供政策連携室」が司令塔として各局横断的な施策を実施することが必要です。

また、社会問題となったブラック校則については、都立高校で生徒の議論を踏まえて「ツーブロック」禁止や下着の色など6項目について点検し撤廃などの改善が実現しました。今後も子どもたちの主体的な議論を期待するところです。

国では、「こども庁」が「こども家庭庁」になり、子ども自身の権利保障が後退する議論ばかりです。東京都に、個別の権利救済とともに提言・勧告機能を持つ「子どもコミッショナー」の制度化を強く要望しました。

 

  • 環境配慮の取り組み

新年度予算は、ゼロエミッションを重点施策としてCO2削減のための金額を大きく増やしています。国を牽引するような再エネ施策は都の「本気度」が問われるため、あらためて知事に決意を求めました。

都内各所で大規模再開発が進行中ですが、2050年ゼロカーボン都市を展望し、建物の建築から廃棄までを見通したライフサイクルアセスメント、再開発エリア全体のCO2排出量変化を求めるべきです。

樹木伐採が問題になっている神宮外苑の再開発事業。この地域は日本初の風致地区として建物の高さを抑え緑豊かな景観が守られてきました。オリンピックを口実にした大規模開発が、大会後の今動き出そうとしています。超高層ビル建設と樹木伐採はゼロカーボンにはマイナスとなります。負のレガシーになると、多くの市民から反対の声が届いています。

また、外環道工事による振動や低周波音による健康被害について今の環境確保条例では対応できないことから、新技術工事にも対応して項目・測定方法を見直すよう求めました。

 

  • 在宅支援について

コロナ感染症オミクロン株が猛威を振るい、自宅療養者が9万人を超える事態となりました。在宅生活を支える訪問介護従事者から支援を求める声が届いています。都は検査キット配付やかかり増し経費補助などを実施していますが、これまでコロナ対策は、入所施設よりも在宅系事業者への支援が後回しになっており、施設や医療機関と同等の支援が必要です。

また、生活者ネットワークが行ったケアラー調査では、ケアラーに対してきめ細かな支援の必要性が明らかになりました。ケアを社会全体で支えるため、ケアラー支援条例が必要です。「介護の社会化」実現に向けて、今後も提案していきます。

 

  • 都立高校入試のスピーキングテストについて

これからの国際社会の中で、英語でのコミュニケーション力を高めることは重要です。しかし、2022年度始めるスピーキングテストについては、さまざまな問題が指摘されています。なかでも、当事者である生徒や保護者への説明が行き渡っていないことは問題です。特に来年度に高校受験を迎える現中学2年生は、コロナ禍の全国一斉休校の真最中に中学校入学を迎え、緊急事態宣言や蔓延防止等措置が続く中、学校生活においても会話や発声を伴う活動が著しく制限されてきました。そのような状況下で、スピーキングテストを強行に導入することに大きな懸念があり、再検討すべきです。

 

  • トイレのユニバーサルデザイン化

一昨日「多様な利用者のニーズに配慮したユニバーサルデザインのトイレづくりハンドブック」作成のプレスが出ました。生活者ネットワークは、だれもが外出しやすいまちづくりのため、2004年には都庁舎のトイレにおむつ交換台を設置するよう求め、その後実現しました。これまでさまざまなニーズに応えてトイレの改善は進んでおり、今後も注目しています。

 

  • 都議会のあり方検討会

あり方検討会は主要5会派で構成し、昨年11月に辞職した木下富美子都議会議員の長期欠席を発端に議員報酬のあり方について検討が始まりました。現行のルールでは、議員である間は支給され、辞退することはできません。今回、世論の批判を受け、都議会議員が長期欠席した場合に議員報酬を不支給とする議員報酬条例の改正案をまとめたものです。

しかし、全議員に関わる条例改正について、検討は非公開で行われ、一人会派の理解を得るための努力が全くなかったことは大変遺憾であり、大会派の合意のみで議会改革をすすめるべきではありません。

 

生活者ネットワークは、これまでも身の回りの化学物質について取り上げ、とりわけ成長期にある子どもへの影響を問題にしてきました。子どもの感受性や行動パターンに着目し予防原則を念頭に都が策定した「化学物質の子どもガイドライン」ができて20年、次々と新しい物質ができ健康を脅かしていることから見直しを要望しました。

都議会生活者ネットワークは、持続可能な社会の実現に向けて、多様な人が暮らす東京を生活のまちにするため取り組んでいきます。みなさまからのご提案をお待ちしております。