子どもたちにゲノム編集トマトを栽培させないで!

~ゲノム編集高ギャバトマト苗の無償提供を受けないことを強く求めます

2020年12月、開発企業サナテックシード社によりゲノム編集高ギャバトマトの開発が厚生労働省と農林水省に届けられました。それだけでなく、販売会社であるパイオニアエコサイエンス株式会社では、2021年にかけて家庭菜園用のこのゲノム編集高ギャバトマトの苗を無償モニターとして一般に無料配布。さらには2022年からは介護施設に、2023年には小学校に無償提供する計画を立てていることがわかりました。

遺伝子組み換え作物の栽培や食品表示には、不充分ながら規制や義務があり、生活者ネットワークとしては、給食食材については使用しないことを求め、多くの自治体で「使用食材の規格基準書」などに不使用が明記されています。

しかし、ゲノム編集作物・食品については、国は他の生物の遺伝子を挿入する遺伝子組み換え技術と異なるという説明に終始してきました。生活者ネットワークは、市民や消費者団体と連携し「すべてのゲノム編集食品の規制と表示を国に求める100万人署名運動」を展開するなど運動してきましたが、影響評価や表示義務などの規制の制度がないまま、栽培と販売が解禁されたことは大問題です。

ゲノム編集食品は、まぎれもなく「遺伝子改変」食品です。国や関係機関は自然界で生じる突然変異と同じ、という見解ですが、オフターゲット(遺伝子操作した標的以外の遺伝子への影響)やアレルギーなど体への影響、生態系への影響など検証されていない重大な課題があります。未然防止の視点や消費者の知る権利の点からも、ゲノム編集作物や食品が拡散していく事態は避けなければなりません。

無償提供がすすめば、栽培によりゲノム編集植物が自然界に出てしまうことはもとより、家庭や学校で子どもたちが遺伝子操作された食べ物を口にしていくことになります。

生活者ネットワークは、このゲノム編集高ギャバトマト苗の無償提供を受けないことを自治体に強く求めるとともに、給食食材にゲノム編集食品を使用しないことを求めます。

 

※高ギャバトマト 血圧を下げる等の効果があるとされるギャバ(GABA)の含有量を増やすために、ゲノム編集技術でグルタミン酸脱炭酸酵素遺伝子の一部を壊したトマト。

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