東京・生活者ネットワークシンポジウム2021「 ジェンダー主流化とは何か」~2021都議選候補予定者発表!!

東京から“ジェンダー主流化”を達成する! ジェンダー平等と多様性が社会を強くする!!

2021年東京都議会議員選挙まで余すところ2カ月となった5月1日、東京・生活者ネットワークは、標記の「シンポジウム2021」を開催した。昨年に続き、3回目となる新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下での開催は、厳重な感染症対策のもと、リアルとオンラインを併用(都内新宿区)。2部形式で進めた集会では、第1部「シンポジウム2021」、第2部は「2021年都議会議員選挙候補予定者発表~記者会見」へと進め、今夏の都議選にむける、東京・生活者ネットワークのスタート集会となった。

 

第1部:シンポジウム2021「ジェンダー主流化とは何か」 コロナ禍のいまだからこそ実現したい誰もが生きやすい社会

設立から43年を経たローカルパーティ 東京・生活者ネットワークは、生活協同組合運動に集う、特に女性たちが担ってきた市民運動を手掛かりにスタートした、市民の政治ネットワークだ。地方公共団体を市民自治体に変えていく、安心・共生・自治のまちをつくることを理念に掲げ、意思決定の場である自治体議会に、普通の市民の参加、特に女性の参画を実体化するために、都議、市・区議を送り出してきた。議員を特権化せず、代わり合う交代制を実施することで、今日現在216人の女性議員を生み出し、暮らし発・東京を生活のまちに変えていく政策転換に、その力を発揮してきた。

2021年、私たちはいま、世界が予期しなかったコロナ・パンデミックとの闘いを余儀なくされている。終息の見通しが立たないコロナ禍のなか、女性の自殺者が増えている。経済状況が悪化の一途をたどるなかで、まっさきにクビをきられる非正規雇用の女性たち。経済界だけでなく、政治分野においても女性蔑視・軽視発言が相次いでおり、事実、発表された2021年のジェンダーギャップ指数は世界156カ国中120位と、相変わらずの低迷ぶりを見せている。

第1部のシンポジウムでは、パネリストに、進藤久美子さん(東洋英和女学院大学名誉教授:アメリカ史・ジェンダーフレンドリー論)、竹信三恵子さん(和光大学名誉教授・ジャーナリスト・非正規労働と貧困、格差、ワークライフバランス論)、中北浩爾さん(一橋大学教授:日本政治外交史・現代日本政治論)、浅倉むつ子さん(早稲田大学名誉教授:労働法・ジェンダー法)と、願ってもないオピニオンリーダーが登壇。

それまで潜在し今日のコロナ禍で否応なく現れた、あらゆる分野、政治、司法はもとより、雇用領域に明らかな非正規労働と貧困、格差、無償労働問題に見られる男女不平等、たかだか明治31年(1898年)施行の民法に依拠しているに過ぎない伝統論のもと、選択的夫婦別姓さえ認知しない日本の中央政治。政治分野における女性参画を実現するための世襲打破、財源確保をどうするか。貧困、格差の極にある女性の現状、女性が一方的に被る不都合はそこここに現れているが、一方で支援活動の実践もまた脈々と受け継がれていることに注目したい。これら市民運動と政治活動をネットワーキングすることが変革の一歩であることなどが、分野を越えて活発に交換された90分。

課題解決に欠かせないのは「ジェンダー主流化」の達成であること、すなわち、日本で女性であることの困難は、税・雇用・社会保障が一体となって「男性稼ぎ主」型モデルに依拠していることが元凶なのであり、法律や制度、政策をすべからく中立化していくジェンダー主流化こそが果たされなければならないのである。

ジェンダー平等な社会は何をもたらすか。今こそ必要とされている「ジェンダー主流化とは何か」をひも解き、足元の政治から社会を変えていく! 「東京からジェンダー主流化を達成する」、その必然と決意を共有し、パワーを創り出す貴重な場面となったことを報告したい(パネルディスカッションの模様は追って詳報)。

※コーディネーターとして登壇予定の、皆川満寿美さんは止むない突発事情にて欠席となりました。

 

第2部 2021年都議会議員選挙候補予定者発表 都議会には生活者ネットワークが必要です!

続く第2部では、西崎光子前都議会議員の進行で、東京・生活者ネットワーク2021年都議会議員選挙候補予定者発表、決意表明と、記者会見へと進めた。

いまこそ東京を生活のまちに 必要なのは住まいと職、医療・介護・教育の充実です。

 

■北多摩第2選挙区(国分寺市・国立市)

岩永やす代(国分寺市議会議員/東京・生活者ネットワーク都政担当政策委員)が、トップを切って決意。コロナ禍のこの間、職も住まいさえ失い困窮を余儀なくされている人たちがいる事態や、コロナ禍における女性の貧困と子ども家庭の窮状を緊急相談会などに関わりながら訴え、政策につないできた。第1部のシンポジウムを受けて、ジェンダー平等が行きわたり、多様性が尊重される社会、誰もが生きやすい社会に変えていくために、市議10年の経験と実績を生かしたい。生活者ネットの30年来の念願であった「東京都こども基本条例」が成立して、いよいよ制度づくりに向かう今だからこそ、都議会に生活者ネットの議席を勝ち取りたいと表明した。

 

■世田谷区選挙区

関口江利子(東京・生活者ネットワーク都政担当政策委員)は、前回失った世田谷区の生活者ネットの議席を奪還するべく準備を開始した新人だ。世田谷区社会福祉事業団で介護士として訪問介護にあたった経験を持つ関口江利子は、この現場から社会的弱者(要介護高齢者、障がい児や精神疾患のある人など)が直面する不都合や困難に目を向けるようになった。広島出身で被曝三世でもあることから、原子核エネルギーが生み出す原発は全廃!への決意は人一倍だ。現役子育て世代の一人として子どもがいきいきわくわく育つまち東京をめざしたい期待の新人だ。

 

■杉並区選挙区

小松久子(前都議会議員/杉並・生活者ネットワーク事務局長)からは、今日的課題ともいえる気候危機に立ち向かうために東京都政がなすべきこと、省エネ・再エネで脱炭素、エネルギー自立都市東京をめざす方策が語られた。また、3.11から10年のこの期であればなおさら、東電大株主であり過酷事故を引き起こした福島第一原発が東京都民の電力を供給するために稼働してきた事実を忘れてはならない、東京から原発ゼロを実現する、と決意を固めた。

それぞれの固い決意表明に先駆け、元気の出る応援メッセージも。「がんばれ!生活者ネット」と題して登壇したのは、この日オンラインで参加した保坂展人(世田谷区長)さんだ。保坂さんとは、政治家以前、社会運動時代からともに活動連携してきた経緯があり、この日保坂さんは、「ネットワークをつくって地域力、市民力をつないできた生活者ネットには、ぜひとも頑張ってほしい」と。熱いエールをいただいた。

しめくくりに当たって登壇した、東京・生活者ネットワーク代表委員で、現職都議の山内れい子は、「コロナ禍でステイホームを余儀なくされているいまだからこそ『誰もが生きやすい社会』を実現したい、しなくてはならない。そのために、ネットの候補予定者全員勝利を果たさねばならない。これまで3期12年ネットの議席を死守してきた山内れい子(国分寺市・国立市)は、今回で議員活動を終え、新人岩永やす代にバトンを渡すことになるが、都政の場に市民政治を根付かせてきた生活者ネットの議席を何としても維持。拡大する正念場だ。共に頑張りましょう」と、選対長決意を述べた。

――もし、生活者ネットの議員が地域に、都議会にいなかったら!――民主主義も市民自治も行き詰まる。多様な人たちがありのままの自分を尊重し合う風通しのよいまち、暮らしのまち東京へ。市民や地域と政治をつなぐのは、「生活者ネットワーク」であることの自負を肝に銘じたい。

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