東京都議会2022年第2回定例会を終えて(談話)

2022年第2回定例会を終えて(談話)

 

2022年6月15日

  都議会生活者ネットワーク  岩永 やす代

 

 

本日第2回定例会が閉会しました。

  • 手話言語条例について

手話の普及や理解を後押しする「手話言語条例」が全議員提案のもとで成立しました。全議員での共同提案は、都議会では初めてです。手話を必要とする子どもたちが学校で手話を習得するための支援が盛り込まれましたが、条例が広く周知されることで聴覚障がいのある人のコミュニケーション支援が実態のあるものになることを期待しています。また、都職員をはじめ、広く都民が手話を学ぶ機会や、手話通訳者の養成を進めることも必要です。

今後は聴覚障がい者だけでなく、すべての障がい者の意思疎通の支援を進める「情報コミュニケーション条例」の制定もめざしていく予定です。当事者参加で進めるよう提案していきます。

 

  • 補正予算について

長引くコロナ禍のなか、ウクライナで戦争が勃発、急激な円安も加わって、生活物価や食料品の高騰が収まりません。

今議会の補正予算で、都立学校給食の食材費のうち主食高騰分の補助が提案されました。学校給食は、今や、子どもたちとりわけ貧困世帯の食を守る砦となっています。成長過程にある子どもたちにとって、おいしくて安全な食材を使った学校給食の重要性は言うまでもありません。今後は、給食の無償化に取り組むべきです。

 

  • パートナーシップ宣誓制度について

人権尊重条例の改正によって、同性パートナーシップ制度を創設しました。都営住宅の入居や病院の手続き、子どもの名前も併記できるため保育園の送迎などに同性カップルとして対応できるようになります。今後は、民間事業者や市民への周知・普及が必要です。

生活者ネットワークは、当事者参加の議論による制度づくりを求めてきました。アンケートやヒアリングだけでなく、あらためて当事者参加を要望します。

 

  • 男女平等参画基本条例改正について

都の審議会の委員を女性・男性ともに4割以上に割り当てる「クオータ制」を努力義務、男女どちらかがゼロとならないよう義務づける条例改正が決定しました。真のジェンダー平等の実現に向けて、男女平等参画審議会を常設とし、計画の進行管理を行っていくよう、あらためて求めます。

 

  • 労政会館を廃止する条例について

国分寺と八王子にある労政会館を廃止する条例が提案されました。これまで国分寺や八王子で担ってきた労働相談が立川だけになってしまいます。特に、八王子の労働相談機能を残してほしいとの要望が多くありました。

国が旗を振る働き方改革は名ばかりで、コロナパンデミックが追い打ちをかけ、突然の解雇により仕事も住居も失う事例が後を絶ちません。非正規やフリーランスなど多様化する働き方への対応も必要です。東京都の労働相談は、ハラスメントをはじめ、障がい者や外国人労働者などの深刻な困難事例が増えていると聞いており、今こそ相談機能の充実が求められており、縮小すべきではありません。この条例には反対しました。

 

  • 「困難女性支援法」成立を受けて

5月19日に成立した困難女性支援法は、かねてから課題が多いとされていた売春防止法を抜本改正したものです。売春防止法そのものは、差別的と指摘され、DV被害者保護等の女性支援がこの法律を根拠に実施することによる弊害も多く、支援法成立で政策の充実が期待されるところです。支援現場では、運営費がまかなえずに閉鎖に追い込まれる民間シェルターも増えており、具体的な支援策が急がれます。国は2024年4月の施行に向けて準備を進めていきますが、都としてもすぐに準備を開始するよう要望します。

 

  • 神宮外苑の再開発について

神宮外苑の再開発に多くの市民から見直しの声が上がっています。風致地区第1号として緑を守るべき地域にもかかわらず、1000本もの樹木が伐採され、100年にわたって育まれてきた豊かな緑の環境が破壊されてしまうからです。オリンピックを名目にした神宮外苑の大規模開発は、国立競技場建て替えから始まり、建物の容積率や高さ制限を大きく緩和、風致地区をないがしろにし、今ある建物を壊して新たに高層ビルを建てる計画です。

しかし、スクラップ&ビルドの時代は終わりました。CO2削減の観点からも、建物を壊さずメンテナンスやリフォームで長く使うサーキュラーエコノミーに舵を切る必要があります。失われる樹木の問題とともに、まちづくりの基本姿勢を見直すべきと考えます。

 

 

都議会生活者ネットワークは、持続可能な社会の実現に向けて、多様な人が暮らす東京を生活のまちにするため取り組んでいきます。みなさまからのご提案をお待ちしております。