ようやく東京都こども基本条例が成立! 2021年第1回都議会定例会を終えて

2021年第1回定例会を終えて(談話)

2021年3月26日

  都議会生活者ネットワーク  山内 れい子

 

 

本日第1回定例会が閉会しました。

  • 全議員が賛成で「こども基本条例」成立

生活者ネットワークが東京都に子どもの権利条例制定を求めて20年余。ようやく今議会で、子どもは大いなる可能性を秘めたかけがえのない存在であり、あらゆる場面において権利の主体として尊重され、最善の利益が保障されなければならないと明記した「東京都こども基本条例」が成立しました。

子どもの権利条約に基づいた権利救済・制度改善のしくみとともに参加と意見表明権の保障が重要であることから、今後都議会は、条例制定の責任を踏まえて、これらを実現していくために進捗をチェックしていかなければなりません。

 

  • 2021年度予算について

一般会計の予算規模は7兆4250億円、2020年度当初予算に比べて1.0%増としています。2021年度予算は、税収が4000億円落ち込むと予測しつつ、成長し続ける都市の実現とコロナ対策、デジタル化、東京2020大会を基本として編成しました。コロナによる経済停滞が長引くなか、都債の発行を3倍近くの5876億円と大きく膨らませて、予算規模の維持を図りました。しかし、都債の充当事業は限られており不要な公共事業に流れやすいので、都民の雇用や生活に寄与する予算となるよう求めました。

 

  • ジェンダー主流化に舵を切れ

森オリ・パラ組織委員会会長の発言で、日本のジェンダー意識がいかに時代遅れであるかが露呈しました。生活者ネットワークは2018年にジェンダー問題プロジェクトを立ち上げ、東京に住む女性インタビューや自治体への調査を実施、セクハラ、DV、性暴力対策の自治体ランキングを発表。調査からは、身近な地域で女性のSOSを受け止めてもらえない実態が明らかになりました。解決に向けては、潜在意識に慣習として刷り込まれている性差別を顕在化させ、ジェンダーの視点ですべての施策を問い直す必要があります。都は、男女平等参画を推進するために、自治体職員の研修や相談員の確保、民間支援団体への財政支援とともに、自らの事業を見直すことが重要です。例えば、ウィメンズプラザに保護を求め相談してもワンストップで解決できない、保護施設はあるが規制が多いため使いづらく利用されていないなど、改善すべき事業が多くあります。そのためにも政策策定の場に女性の参画をもっと進めていくよう求めました。

 

  • 議論できる都議会にするために

都議会の役割は、都政の課題を掘り起こし解決への道筋を求めて、政策論議を通じて都民に論点を提示することです。今議会では議員提案の条例が成立しましたが、まだまだ少ないのが現状です。都議会を活性化するためには、議員同士のオープンな議論ができるよう、議会改革を進める必要があります。またこの1年、都では、コロナ対策の補正予算が8回も専決処分となりました。事業実施のスピードを理由に議会軽視と議会の怠慢は許されません。生活者ネットワークは議会基本条例に通年議会を導入するよう提案しています。

 

この1年、国も都政もコロナ対策一色となりました。未知のウイルスによるパンデミックに対して、突然の学校一斉休業や緊急事態宣言、協力金や東京アラート、GoToトラベルなど、矢継ぎ早に場当たり的な措置が続きました。巨額の税金を投入しても感染の収束は未だ見通せない事態です。これまで都の補正予算は、閉会日の本日も上程され、全部で23回に上り、3兆円を超えました。当初9300億円以上あった財政調整基金が一時は500億円を割り込み、最終的には2500億円あまりになる見込みです。非常時を理由に整理されないまま進んだため、事業を実施する現場は混乱し、必要とする人に支援や情報が届かない例もあります。実体経済・社会活動の伴わない株価の上昇は、さらなる混乱と格差拡大を招いています。

コロナの影響は、生活が困窮する子育て世帯やアルバイトなど非正規雇用で働く人にしわ寄せが集まりました。また、コロナ禍で深刻化する孤独・孤立問題への支援も重要です。相談窓口の強化、住宅の確保、就労支援などが必要であり、こうした対策こそ手厚く実施すべきです。オリンピック・パラリンピックを開催できる状況にはありません。

 

待ったなしの気候変動対策や国際水準から大きく遅れているジェンダー平等施策をはじめ、高齢者や障がい者、子ども、若者が生きやすい社会をつくるのは、政治に携わる者の責務です。

都議会生活者ネットワークは、持続可能な社会の実現に向けて、多様な人が暮らす東京を生活のまちにするため取り組んでいきます。みなさまからのご提案をお待ちしております。