ひとりにしない介護と福祉~ケアラー支援プロジェクト始動!

「ケアラー」という言葉が社会に認知され始めてきました。ケアラーとは、介護、看病、療育、気づかいなど、ケアの必要な家族や近親者などを無償でケアする人のことです。

生活者ネットワークでは10年ほど前から「ケアラー」という視点を認識し、介護や福祉サービスの充実だけでなく、ケアする人自身の健康や生活にも配慮するケアラー支援の必要性を訴えてきました。特に、18歳以下の子どもがケアを担うヤングケアラーについては、子どもの権利の視点からも子ども期の時間を保障できるようにすることが社会に責任であると考え、ケアラー全般の問題と共に各地域の生活者ネット議員による一般質問や予算提案に取り組んでいます。

2020年には、東京・生活者ネットワークとして「ケアラー支援 政策提案に向けての調査プロジェクト」を立ち上げました。共同プロジェクトリーダーは前都議会議員の小松久子(杉並区)と西東京市議の加藤涼子。日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子さんを講師に学習会を行い、ケアラーへの聞き取り調査を行い、活動を継続中です。

地域のつながりの中からインタビューに応じてくれたのは23人。コロナ対策をしっかりと行いながら、ひとり数時間をかけてじっくりとインタビューをしていきました。23事例といっても、多重介護、ダブルケア、障がいのある子どものケア、難病や若年性認知症の子どもを看る高齢者介護、男性介護、ヤングケアラー、若者ケアラー、と介護や介助の状況はまさに十人十色です。

2月26日と28日にはワークショップ形式で(28日はオンラインによるグループワーク)で事例から共通課題を読み取り解決のための施策を話し合う場を持ちました。多様なケアラー像ですが、そのなかから見えてくる共通の課題がありました。たとえば、家族介護・介助があたりまえとされている現状、そのなかで孤独感を感じているケアラー、仕事との両立の難しさ、ケアラーにとっての地域とのつながりの重要性、など。介護保険は「介護の社会化」としてスタートしたはずですが、家族頼みになっている現状もよく見えてきます。

既存の制度や地域での市民による取り組みをどうアレンジするか、ないものをどう新しく創っていくか、政治本来の仕事である政策提案に向け話し合いは白熱しました。出前ケアラーズカフェやヘルパー・ケアマネへの啓発研修などさまざまな提案が出ています。

埼玉県では2020年にケアラー支援条例ができましたが、東京・生活者ネットワークも都議選に向けた東京政策2021で東京都にケアラー支援条例をつくることを提案しています。このプロジェクトでは、当事者の声をもとに条例により具体化していきたい具体施策を打ち出していきます。

プロジェクトリーダーの前都議会議員・小松久子(右)、左は杉並区議の奥田雅子