東京都「こども未来会議」(第1回)オンライン会議が開催されました

MX-3661_20200925_145740のサムネイル東京都では現在、東京の未来を切り拓く長期的な羅針盤となる長期戦略の検討を進めている。昨年12月には、2040年代にめざす東京の姿=ビジョン=と、その実現のために2030年に向けて取り組むべき「戦略」を示した「未来の東京戦略ビジョン」を策定。これまでの成果や課題を洗い出すとともに、今後起こり得る社会変化を整理して、そうした中でも活力ある東京を創り上げるために何をなすべきか、議論すべき内容を論点として提示した。その戦略の一つとして、子ども・子ども家庭に光をあてたのが「こども未来会議」。子どもが笑顔で子育てが楽しいと思える社会の実現に向けて、従来の枠組みにとらわれない幅広い視点で議論を行うため、有識者等からなる会議体を設置したもので、委員の一人に国連子どもの権利委員会委員で弁護士の大谷美紀子さんも着任した。

こども未来会議(第1回) オンラインでスタート!

上記目的のもと、9月23日、東京都庁第一本庁舎大会議室を会場に、第1回こども未来会議が、コロナ禍の実情も踏まえ、オンラインで開催(事務局:政策企画局)された。

インターネット録画配信ぺージは以下(YOUTUBE)
https://youtu.be/XhNvyFZC4mk

第1回会議開催にあたり、小池東京都知事は次のように発言(要旨)ーーコロナが及ぼした子どもを取り巻く環境の変化は著しく、学校の閉鎖の一方で、夏休みが短縮され大きな行事も中止となるなど、子どもたちの日常に大きな影響を与えている。それに伴うデジタル化の進行が子どもたちに与える影響もさまざまにある。こうした社会の構造的変化に伴う問題も見過ごせない中、未来社会の担い手でもある子どもたちをどのように育んでいくかが問われている。いかなる状況下においても子どもの学びを止めない、なにより子どもの笑顔を育んでいく、このことが重要であって、無限の可能性を秘めた子どもたちは社会の活力の源泉、社会の宝でもある。さらに、子どもの笑顔が家族を、周りの大人たちを笑顔にする、そういう力がある。東京都は昨年末策定の「未来の東京戦略ビジョン」の、その一番最初に「子どもの笑顔にための戦略」を掲げた。子どもの育ちを本気で支えていく、人口減少・少子社会においても活力ある東京をつくるためにも、子どもへの投資を本気で行う時、待ったなしの状況である。そこで、この会議では、どうやって子どもたちの夢の実現を支えていけるか、子ども最優先=チルドレンファースト=へとマインドチェンジしていくための方策は何か、子どもたちが輝く東京の未来に向けて論を深めていただきたい——

主体は子ども、子どものことは子どもに聴け! 「子ども参加」を支えるしくみづくりを!

意見交換では、➊コロナ禍がもたらした変化~今後の子ども・子育て政策の視点 ❷子どもの笑顔のために求められるもの~必要となる視点・アプローチ の2項をテーマに、5人の委員と小池知事による意見交換が行われた。学校や教育現場、子ども家庭支援の場から多くの提言があったが、とくに「子ども参加」に焦点をあてた大谷委員の意見を要約する。

コロナ・パンデミックと子どもの権利については、まず、世界的に子ども政策に光があたりにくい(後回し)ということがある。学校休校とデジタル導入の問題では、自粛による生活がもたらした虐待・暴力の増加、もともとある格差がさらに広がり、かつ長期化が危惧される。すなわち経済格差の問題が深刻で、学校のオンライン化・デジタル化でも、アクセスすることができないでいる貧困層の問題があり、これら格差の拡大が懸念される。また、世界に羽ばたく子どもたちの育成という都の論点から、世界の子どもの実情、支援についての情報共有にも力を入れるべきで、同時に東京の先行事例なども積極的に発信して子どもに光をあてていただきたい。国連子どもの権利委員会では、子どもたちを幸福にする、光をあてる、子どもの権利を守ることは、周りの大人たちをも笑顔にすることであると考える。学校、地域社会ぐるみで子どもの権利を守る=子どもの育ち支援を行う=ことは、社会全体が幸福で笑顔になること、ここをぜひとも基盤にしていただきたい。

チルドレンファーストでぜひともお願いしたいこと、それは子どもの視点。主体である子どもが、ではどのように感じているか、きちんと取り入れていただきたい。まず、ただ今このように東京都が「子どもの幸福について、子どもの権利について」話し合っているよ、ということを学校などを通じて、また子どもを対象にしたホームページを都が立ち上げるなどして子どもに知らせてはどうだろうか。子ども自身の意見反映が、この会議にはもっとも重要で、子どもたちの意見をあつめたり、子どもの代表と対話したりできるとよい。とはいっても子どものアイデンティティはさまざま、障がいのある子ども、外国籍の子どもなどなど多様である。オンラインで意見を集めることも可能ではないか。また、諸外国、例えばイングランド・スコットランドやオーストラリアには、「子どもコミッショナー」という人がいて、日ごろから子ども参加を支援している。今日のような子どもにかかわる会議が行われるときは、子どもコミッショナーは必ず委員の一人として参加して子どもの意見、視点を代弁する人として力を発揮している。教育現場からも今、高校生の4割が子どもの意見が反映されていないと社会批判をしている事実があるように、意見表明の保障、しくみづくりもまた、世界が予期しなかったコロナ・パンデミックをきっかけに検討していただきたい。子どもが笑顔で育ちゆく社会政策づくりに必要なしくみとして、コロナ対策だけではない長期的視野に立って、「(子どもオンブズ機能を担う人を中心とする)子どもコミッショナー制度」や、「子どもアドバイザリーチーム」の立ち上げを検討されたい。

ようやく、東京都が推進すべき重点テーマと位置づけられた「子どもが笑顔で子育てが楽しいと思える社会」の実現。そのための、「子ども条例」など、子どもの育ちを支える政策の具体化を期待し、「こども未来会議」の今後の進展に注目したい。

◆「こども未来会議」に関する問い合わせ先:政策企画局計画部計画課 電話 03-5388-2089

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