「情報公開」と「公文書管理」-東京都のパブリックコメントに向けて学習会を開催-

東京都は「東京都公文書の管理に関する条例」制定に向け、概要案を4月7日に公表、26日まで、意見募集を行っています。

また、公文書管理制度と車の両輪とも表される情報公開制度についても、同時に、改定の概要が示され、意見募集が行われています。

東京都ホームページ 公文書の管理に関する条例案の概要の公表及び意見募集

東京都ホームページ 東京都情報公開条例等改正案の概要の公表及び意見募集

東京都の「公文書管理条例」制定に向けた準備の背景には、豊洲市場移転問題の中で、「意思決定過程が明確に記録されていない」課題が明らかになった事実があることは、言うまでもありません。生活者ネットワークは、かねてから、公文書は市民の共有財産であり、説明責任を全うする理念を明確にする「公文書管理条例」が必要であることを主張してきましたが、昨年12月の都議会定例会において、あらためて公文書管理条例を制定するよう提案、知事からは来年度早期の条例化を検討するとの答弁が得られました。都議会生活者ネットワークは3月の予算特別委員会でも公文書管理について取り上げ、条例制定にあたっては、意思形成過程から文書作成を義務づけ、資料文書も含めて一体的に管理、保存期間はいちばん長いものに合わせること、廃棄については廃棄ファイルのリストを公表しパブリックコメントを実施すること、公文書館を条例設置とし機能強化することを提案しました。

東京・生活者ネットワークは、4月19日、情報公開クリアリングハウス理事長の三木由希子さんを講師に、東京都情報公開条例等の改正と、公文書管理条例制定について、学習会・意見交換会を開催しました。

情報公開条例改正案は、手数料規定の見直し(閲覧手数料の廃止やコピー代の引き下げ 等)が主な内容で、「開示請求対象の範囲」などの見直しには着手しておらず、今後の課題です。

公文書管理条例の制定については、基本的には歓迎するものの、公表された概要では、公文書を「合理的に検証できるように作成・保存すること」や「保存期間の考え方や基準をどこで定めるのか」が明らかになっておらず、まだまだ課題が残されています。条例にどこまで明記するのか、枠組みだけでははっきりしません。

当日の意見交換では、様々な立場の方から、多くの意見が出ました。

昨年からの一連の都政問題において、具体的に、情報公開と公文書管理の課題が顕在化している今、制度が適正に運用されるよう、意見を出していかなければいけないことを実感した学習会でした。

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