再稼働NO!市民のちからで原子力の時代を終わらせよう

 3月25日午後11時59分、定期点検のために東京電力柏崎刈羽原発6号機が発電を中止し、東京電力の原発17基がすべて止まった。5月上旬に北海道電力の泊原発3号機が定期検査入りし、再稼働する原発がなければ、国内54基がすべて止まる。電源の3割を賄ってきた原発が止まっても、世の中は動いている。西沢東電社長はこの夏も安定供給は確保できる見通しと談話を出した。
 東京電力は火力発電をフル稼働させるために液化天然ガスや石油の使用量が増え、赤字となるので電力料金を上げるという。「電力料金を上げるのは私たちの権利」という東電の発言には多くの人が心底驚いた。電力会社が原発立地の自治体に寄付金や電気事業連合会はじめ経済団体への会費を支払い、それを電力の原価に含める「総括原価方式」も消費者の理解を得られるものでは到底ない。
 野田政権は23日、内閣府原子力安全委員会が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全審査を認めたことを受け、再稼働に向けた検討を始めた。来週中にも関係閣僚で安全性を確認し、再稼働可能と判断。4月上旬にも地元自治体の説得に入るという。

 東京電力福島第一原発の事故から1年。汚染された「計画的避難区域」の浪江町や飯舘村などでは、除染して帰村するか、移転するか、住民が苦悩し、心が揺れている様子が報道されている。大地と海、人々の暮らしは深く傷ついている。放射能被害はこの先いつまで続くのか。貯まり続ける核廃棄物はその処理方法さえ確立していない。原発事故の原因究明は進まず、26日も福島第一原発2号機の原子炉格納容器の水位が想定外の60センチしかないことが発表された。
 東京・生活者ネットワークは「脱原発100万人署名」や「原発再稼働に待った!全国署名」に賛同し、地域で署名活動を展開している。朝日新聞社が3月10、11日に実施した全国定例世論調査(電話)によると、定期検査で停止中の原発の運転を再開することに57%が反対し、賛成の27%を大きく上回った。原発に対する政府の安全対策については「信頼していない」という人が80%に上った。
 4機同時多発という、史上初の原発過酷事故を引き起こした日本がなすべきは、人類が選択不能な核=原子力の時代を終わらせること。すでにそのための様々な政策提言が市民、NGO、NPOや真っ当な研究者らから出そろった。今こそ、政・財・官・学・報の利権のスクラムを打ち破る「市民の政治=自治」をこそ発揮し、確たるものとしなければならない。

東京・生活者ネットワーク

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