子どもの権利条例制定ですすむ権利擁護のしくみ

子どもの権利条例東京市民フォーラム、第40回定例会が開催されました

 
この夏も大阪で二人の幼児が育児放棄され命を失うという、あってはならない、痛ましい事件が起こりました。子どもの虐待やいじめなど、子どもの命と人権を脅かす事件が後を絶ちません。東京・生活者ネットワークが呼びかけ人としてかかわっている子どもの権利条例東京市民フォーラムでは、10年前から、東京都および都内の自治体の子どもの権利条例制定に向けての情報を共有し、課題などを学びあい、条例制定を後押ししています。
7月23日の定例会では目黒区子ども条例が2005年12月1日に公布・施行されてからどのように施策が進められたか、特に子どもからの訴えを直接受け止める目黒区子どもの権利擁護委員制度「めぐろ はあと ねっと」を中心に目黒区子ども政策課長 橋本知明さんから報告していただきました。

条例では目黒区の主な取り組みとして・子ども総合計画の策定 ・子ども施策推進会議・子どもの権利の普及啓発 ・すべての子育て家庭への支援・虐待やいじめなど子どもの権利侵害の予防、早期発見、防止のための対策・区政、施設の運営や行事へ子どもの意見反映に努めること・公共施設などを活用して子どもの居場所づくり・「子どもの権利擁護委員」の設置などが掲げられています。
子どもの権利擁護委員制度は子ども条例第16条の規定に基づき設置した区長の付属機関で独任制。子ども自らが直接相談することができる電話相談室です。希望があれば臨床心理士と弁護士である2名の子どもの権利擁護委員との面談ができ、問題解決に向けて事実を確認し、問題を解決するための力になります。「はなせば こころ かるくなる 電話ください」というパンフレットやカードが小中高校生(承諾を得た私立も含む)に配布され、区民まつり、公園まつり、講座、ワークショップなどでも広く情報提供されました。2009年度は子どもから34件、総計165件の相談があったそうです。目黒区には児童館や子ども家庭支援センターなどの相談救済のしくみがいろいろありますが、子どもの権利擁護委員が第3者機関であることで区政や教育委員会が行っている事業に対しても改善勧告ができことが大きな価値であると、森田明美さん(子どもの権利条例東京フォーラム事務局長)から指摘がありました。

子どもの権利条例の普及啓発ではパンフレットのほか 目黒区 子ども条例の絵本『すごいよ ねずみくん』や中高生向け目黒区子ども条例のまんが「あした」が紹介されました。まんがではネットいじめや自傷行為、家庭内暴力など現代の子どもたちの状況を取り上げながら、今まさに暗闇に落ちていこうとする子どもたちに「苦しんでいるのはあなただけではないよ。一人ぼっちにはしないよ。大丈夫だよ」というエールを送っています。

都内基礎自治体では目黒区のほかに、すでに世田谷・調布・豊島・日野・小金井などが条例を制定し、国分寺や西東京でも条例制定がめざされています。条例制定によって、子どもの権利擁護のしくみが広がりつつあることを共有し、基礎自治体や東京都での条例制定に向けての意義を確認する会となりました。