ローカルパーティで政治を変えよう〜市民政治をすすめる

 7月19日、 260人が参加した「全国市民政治ネットワーク」の集会が開催され、東京・生活者ネットワークからも27人が参加した。
午前は 「現場に出よう」 「つながろう!地域の多様な人たちと」 「議会改革」 などをテーマに5分科会が開かれ、事例を共有。
午後は、北海学園大学法学部教授の神原勝さんによる 「自治・議会基本条例による自治体再構築の展望」 と題した基調講演(写真右)。
 ——自治基本条例は自治体運営の理念・制度・原則を明確にするためにつくられる自治体運営の最高規範。 2001年に制定されたニセコまちづくり基本条例から7年、 全国1800自治体の1割が自治・議会基本条例を制定、 あるいは予定をしている。 背景には、 政策資源と政策需要のギャップから自治体 「改革」 でなく自治体 「再構築」 が求められていることや地方分権に伴い、 成功も失敗も市民と自治体の自己責任となること、 国連に憲章、 国に憲法、 自治体に基本条例 (自治体の憲法) をという流れがある。 第2ステージに入ったこれからは、 総合計画と議会改革を戦略的に進めることができる総合型自治基本条例が必要となる。 首長と議会は政策の立案・決定・実行・評価のすべての段階で批判と責任をめぐって議論を進めることが必要で、 このとき合議制の機関である議会こそが市民の多様な利害 (争点・論点) を市政に反映しなければならない。 議会の本質は 「討論の広場」 であり、 これを具体的に設計するのが議会基本条例の課題である——と、 北海道の栗山町議会基本条例を例に話された。
 栗山町議会基本条例には、 積極的な情報の創造と公開、 政策活動への町民参加の推進、 議員間の自由な討議の展開、 町長等の行政機関との持続的な緊張の保持などが盛り込まれ、 議員、市民、首長、職員の関係が再構築された。 市民に対する議会報告会では、 議員は職業・地域を超えた対応が求められ、 政策過程の説明責任、 政策説明資料の作成、 総合計画の議決などによって職員や首長の行政活動の質も高まり、 政策のレベルが向上。 しっかりした議会基本条例ができることで議会が、 自治体が変わり、 市民の自治意識も高まる。 ここに自治体再構築の展望がある。

 議会改革はネットの重点政策の一つ。 標準会議規則に縛られた議会運営を解きほぐし、 議会自身が自治体民主主義を体現する、 そのことが問われている。

東京・生活者ネットワーク代表委員
池座俊子

〔下の写真〕「つながろう!地域の多様な人たちと」の分科会の様子

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