有事法制関連法案は撤回を!

東京・生活者ネットワーク

  国民的な議論もないままの法案提出から1年、先の臨時国会でも継続審議となった有事関連3法案が今通常国会で審議入りし、民主党からは基本的人権の保障の法案明記ほか修正案が提出されました。重要法案の修正をめぐっては、国民の目の前で十分な国会審議を尽くすべきであるにもかかわらず、委員会での対案議論もないまま、自民・民主両党による水面下の修正協議は5月13日合意に至り、14日の衆院有事法制特別委員会では一挙に与党3党と民主党および独自の対案を提出していた自由党も修正法案に賛成、15日の衆議院本会議通過が確実となりました。
 私たち生活者ネットワークは当初より、国の危機管理は重要な課題であると認識しながらも、「テロ」や「不審船」「拉致」には、基本的に犯罪行為に対する危機管理策で対応すべきであり、有事・戦争問題へのすり替えによって有事法制が進められようとする流れに大きな危惧を抱いています。その意味でも「有事関連3法案は自衛隊行動の円滑化を優先する法整備を中心とする戦争協力法案であり、廃案すべきである」と訴えてきました。今回の修正では、基本的人権の保障は明記されることにはなりましたが、法案の不十分さがすべて解消されたわけではなく、有事の定義すら曖昧なままに、国民保護法制も先送りされていることに変わりありません。

 先のイラク戦争では、国連決議もないまま米英軍によって戦端が開かれ、アメリカは国際間の紛争を多発させる先制攻撃を正当化し、小泉内閣はこれを容認しました。そして、この間にはテロ特措法でインド洋に派遣されていた自衛隊イージス艦からイラク攻撃に参加した米軍空母への間接給油の事実も判明し、欠陥だらけの有事法制はいっそう不安を抱かせるものです。
 すでに周辺事態法とテロ特措法による自衛隊の海外派遣・米軍支援の範囲も拡大されていることは明らかであり、政府・与党の有事立法の姿勢は、米国追随の戦争協力の体制づくりにほかなりません。有事法制の目的が国民の生命や権利を守るものである以上、政府や自衛隊の権限や裁量の拡大を主要な目的とするものであってはなりません。特に、国民の基本的人権や社会的な権利の制限には、厳格な歯止めが必要です。また、国、都道府県、基礎自治体などの権限の所在についても明確にすべきです。

 私たち生活者ネットワークは、今日、日本政府が早急に行うべきことは、

世界最強国アメリカの一国主義を止め、多国間で協議・決定できる国連をつくる国連改革
国際刑事裁判所の設立条約(ICC)の批准とICCが機能するための努力
核保有国による核軍縮への取り組みと実効性のある査察体制など、核不拡散体制の強化
東アジア地域の多国間による非核と緊張緩和策の構築
など、平和憲法に照らした取り組みであると考えます。さらに、私たちは、世界の市民・NGOや自治体のネットワークと連携する日本の外交政策こそが、世界の平和と共生を実現すると主張します。修正された有事関連3法案は依然として納得できるものではなく、充分な議論もないままに法制化を急ぐことは、民主主義の前提を覆す暴挙と考えます。
 生活者ネットワークは、法案の撤回を求めるとともに、幅広いあらたな議論の開始を求めます。