NPO社会におけるローカルパーティの役割

ワシントン&リー大学の学生と懇談

5月20日、東京・生活者ネットワークは、ワシントン&リー大学(アメリカバージニア州)の学生ツアー団の訪問を受けた。同大学教授のロビン・ルブランさんを始め、教職員3名、学生15名による視察メンバーで、視察目的は、日本の高齢化社会や環境問題におけるNPOの関わり方、地域から市民が行うグローバルな環境問題への関わり方、アメリカと日本のNPO活動の比較、NPO活動と地方政治・中央政治との関連など。「日本のNPOの歴史はアメリカに比して浅く短いにもかかわらず、たいへんな勢いでNPOが誕生しており、いまや重要な存在として新しい公共空間をつくっている。オルタナティブな、より民主的な組織のつくり方、運営のし方、行動のし方を、市民社会が急速に発達している日本のNPOの担い手に会い意見を交わすことで、学生たちにNPOとはどういう社会的役割があるのかを考えてほしい」と企画されたとのこと。この日は、「市民社会の成熟、NPO社会の発展に視点をおくローカルレベルでの政治活動、パーティと市民との政策連携に特筆する活動がある東京・生活者ネットワークとの質疑の場をもちたい」と交流に至ったものだ。

 懇談に参加した東京・生活鞘ネットワーク運営委員の小山美香(小金井市議)は、日本の成熟した資本主義経済制度の中で、高齢化問題や、環境問題など、生活者が直面している諸社会問題を、日本のNPOがなぜ、どうして取り組んでいるのか、またローカルパーティがどうのようにNPO社会と連携し、生活者基点の政策実現を図ってきたか、などを発言。具体的事例として、一昨年、小金井市で実現にこぎつけた、東京で初の「地下水保全条例」の提案経過を報告した。学生からは、「米国では、河川水より地下水のほうがずっと飲料水として質が高く、より安全であることは誰でも知っているし、自治体・行政府共通の認識。なぜ、日本ではそこにある地下水を保全しないで、危険な河川水を飲むのか。なぜ、自治体の市民の発意で国の政策を変えることができないのか」と、鋭い質問を受ける場面も。「今の集権体制の下では、自治体あるいは地方の住民による合理的な政策の選択ができないしくみになっている。そこを法改正への働きかけを含めて、自治体条例の提案をすすめてきたのが市民、NPO。財源を含めた分権の推進、地方の自己決定が可能となるしくみをつくることをめざしている」と応答するなど、活発な質疑が行われた。

学生との懇談では、英語で書かれている教科書における日本の政治スタイルは、中央行政の官僚主導型、政権政党である自民党が政策過程をコントロールしている中央集権体制一色であり、自治体政府の役割や実体の表記は希薄であるという。そうした概念が学生の間に浸透しているのがアメリカの大学の実情であるようだ。しかし、実際は特にローカルレベルで、市民活動を担うグループや新しいローカルパーティが多様な課題解決にむけて、積極的に発言したり、活発に市民社会の実態づくりに関わっているさまを、学生たちに感じてもらうことができたのではないだろうか。
〈写真〉
●日本の市民社会にすでに大きく位置づいているNPOやローカルパーティなど、オルタナティブな存在を学生にみてほしい、というのが大学側の主旨。
●ワシントン&リー大学の学生ツアー団と、都議選候補者ポスターの前で

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