2016年第4回定例会 討論

2016年12月15日 17時46分 | カテゴリー: ステートメント, トピックス, まちづくり, 子ども・教育, 環境, 福祉

2016年第4回定例会 討論

2016年12月15日
山内 れい子

 

都議会生活者ネットワークを代表して、知事提出のすべての議案と議員提出議案第19号に賛成の立場から討論を行います。

 

  • 警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例について

75歳以上の高齢運転者の交通安全対策として、免許更新時の講習を高度化するための条例改正です。高齢者による交通事故の報道が相次いでいるところですが、自動車の運転をやめたいと思っても、例えば多摩地域などでは、公共交通が少なく、自動車を使わざるを得ない地域もあります。各自治体では、高齢者を含めて、買い物や通院など日常生活に必要な移動をサポートする事業が行われていますが、自治体が実施するコミュニティバスなどの事業は赤字が多く、高齢者が安心して生活できるような地域づくりを、都が支援することを要望します。

 

  • 公文書管理について

豊洲市場問題で、敷地全体を盛り土にする大前提を地下空間に変更した意思決定過程が、公文書として作成・保存されていなかったことは極めて遺憾であり、生活者ネットワークは東京都中央卸売市場会計決算を不認定としました。小池知事は、年度内に東京都文書管理規則を見直し、来年度早期に公文書管理に関して条例化を検討するとしていますが、条例制定にあたっては、意思決定過程の文書作成を義務づけること、廃棄の判断を、所管課長でなく第三者の意見を聞いて知事が行うこと、公文書館を条例に位置づけ専門家が移管の判断をすることなど、「公文書」のライフサイクルを明確に定めていくことを求めます。

 

  • 白山通りの無電柱化に伴う街路樹の伐採に関する陳情について

「白山通り」は、東京2020大会のマラソンコースになる予定であるため、無電柱化されますが、オリンピックは暑い夏に開催されるものであり、むしろ街路樹は必要です。この白山通りの銀杏並木は、地域住民に長い間愛されてきました。防災の観点から無電柱化は重要ですが、白山通りは将来拡幅される計画であり地下工事をやり直す必要が出てきます。街路樹を伐採してまで無電柱化を急がなければならない理由はありません。多くの住民の理解が得られない中、強引に事業を進めることには反対であり、きちんとした住民説明会を開催すべきです。

 

  • 福島原発事故避難者支援について

福島原発事故から5年、東京でも福島県から避難している子どもへのいじめが発覚しました。学校での適切な対応が求められています。

政府と福島県は、来年3月をめどに帰宅困難区域を除く全ての避難指示を解除し、賠償や住宅の無償提供を打ち切ろうとしています。今、自主避難者は、強引に選択を迫られ来年以降の生活について不安を募らせています。福島原発の電気の恩恵に浴していた東京だからこそ、誠意をもって避難者と話し合い、本人の意思を尊重し、希望者全員が引き続き長期にわたって居住できるよう都独自の支援策をつくることを求めます。

 

  • 教育施策大綱について

小池知事の下で初めて策定されることになる東京都教育施策大綱の骨子案が示されました。昨年策定された大綱と大きくは変わっていませんが、今回、随所に「日本人として」と「道徳教育」という文言が登場することには違和感をおぼえます。グローバリゼーションの進展に伴い学校においても多様化していくなか、外国籍の子どもも自国の伝統や文化に誇りを持ち続けることを促すような配慮が東京都の教育施策には盛り込まれるべきと考えます。

 

  • 障がい者差別解消にかかわる条例案の検討について

小池知事は、障がい者差別解消にかかわる条例案を検討するとしています。「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」という障害者権利条約で尊重された当事者の長年の主張を具体的に実現する「合理的配慮」を提供することが求められています。東日本大震災でも、聴覚障がい者に情報が伝わらず大きな社会問題になりました。日常生活においても、先日、乗っていた電車が突然停止したとき、事故なのか信号によるものなのか、アナウンス放送がありましたが、聴覚障がい者にとっては、音声情報だけでは何が起きているのか状況を知ることができませんでした。現在、都営地下鉄では、駅改札口ではモニター画面で緊急災害情報を放映できるように改修が行われていますが、電車内のモニターで乗客へのリアルタイムでの情報提供はできていない現状です。都営地下鉄での実施をはじめ、あらゆる公共交通において一刻も早く、文字による情報提供がなされるよう、都として事業者にシステムの整備を求めることを要望します。

 

最後に、東京2020大会に関してひとこと申し上げます。競技会場の場所や費用ばかりが注目を浴びていますが、競技会場は造るコストより維持管理のほうが深刻です。長野冬季オリンピックの長野市は、当時造った競技会場の維持管理で、18年経った現在も財政負担が大変だと報じられています。

東京もオリンピック開催のために造られた競技会場が、長期にわたって財政を圧迫することのないように、準備段階から会場や施設の維持管理、修繕のあり方についても議論していく必要があると考えます。

東京も、オリンピック・パラリンピック開催後に、人口減少に転じます。超高齢社会を見据えて、地域全体で支えあう持続可能な社会の構築につながる取り組みこそ必要です。「やさしさをレガシーに」する東京2020大会となるよう求め、都議会生活者ネットワークの討論を終ります。