川内原発再稼働に抗議!あらためて「原発ゼロ社会」の実現をめざそう!

2015年8月11日 22時47分 | カテゴリー: ステートメント, トピックス, 国際・平和, 活動報告, 環境

九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)が811日、とうとう原子炉を起動、この14日にも発電を再開する段階に入っている。これは、国に原子力規制委員会が設置されて後の、20137月施行の新しい原発規制基準の下で初の原発再稼働であり、九州電力は、この日の1号機に続き10月中旬には、残る2号機の再稼働を見込んでいる。

東京・生活者ネットワークは、東日本大震災を主要因に世界を震撼させた東京電力福島第一原発事故をなかったことにするような今回の原発再稼働に強く抗議し、あらためて「原発ゼロ」社会をこそ実現に向けるよう政府・国会、電力各社に強く要請するものである。 

◆東京電力福島第一原発事故は収束していない――福島原発事故をなかったことにするような今回の再稼働は、到底認められない 

 

原子力規制委員会が開かれ、その事務局である原子力規制庁が入居する、六本木ファーストビル(六本木1丁目)の前では、連日、市民による抗議アピールが取り組まれている。2015年8月5日

福島第一原発を襲った過酷事故は収束にはほど遠いばかりか、事故の原因究明は放射線に阻まれて困難を極めている。原子炉システムにおける事故進行の詳細は解明されていないばかりか、核燃料デブリの所在。形状すら分かっていない。廃炉まで少なく見積もっても40年。1日400トンにのぼる汚染水の処理の目途も立たないまま湾内外の海水の放射能濃度は高い数値を示し、大気中には今も大量の放射性物質が排出され続けている。このような環境の中で、年間1㍉シーベルトを上限とする一般人の被曝限度を「将来目標」に棚上げし、立ち入りも飲食も禁止される「放射線管理区域」(年間52㍉シーベルト)の4倍近い年間20㍉シーベルトを許容限度として、国は10万人余の避難生活者に福島への帰還を迫っている。一方、県内では100人以上のこどもが甲状腺がんと診断されており、国も県も事故後の多発を認めざるを得ない事態となっている。

スリーマイル島原発事故を、チェルノブイリ原発事故をも上回る、世界を震撼させた福島第一原発事故をなかったことにするような今回の原発再稼働は、到底認められない。 

◆新規制基準に適合したからといって「安全は保証されない」と自認して憚らない「原子力規制委員会」のあり方は、到底認められない 

そもそも原子力規制委員会の審査は、「はじめに再稼働ありき」の辻褄合わせでしかないことは、専門家・研究者ら関係各位が指摘するところであり、川内原発の安全は保証されてはいない。

 

九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)は、発電開始から32年以上が経過した老朽原発だ。事故リスクを高めることになる原発老朽化対策は、原子力規制委員会自らが定めた「高経年化対策ガイドライン」を無かったことにする脱法認可であると抗議。8月5日

安全が保証されていない理由の第1は、新規制基準が本質的に甘い規制基準であることである。3.11原発事故を経て、特に立地審査指針を強化すべきところを反対に無効化してしまったことは重大であり、肝心の原子炉システムは既設のまま、重大事故対応の可搬式設備を付け加えるなど部分的改善を行えば既設の原発でも合格できるよう仕組まれたものに過ぎない。地震や津波の想定も若干大きめにしたばかりであり、簡単な補強工事で対応できる範囲でよしとしている。火山リスク審査は、あろうことか火山学者不在のまま進められ、巨大噴火が原発サイトへ与える影響、危機回避においては、モニタリングにより予兆を把握できるから安全だという九州電力の主張を根拠に合格としている。事故リスクを高めることになる原発老朽化対策はさらに不可解で、再稼働直前の駆け込み審査で合格とし、規制委自らが定めた「高経年化対策ガイドライン」を無かったことにする脱法認可を強行したことが市民団体の追求で明らかになっている。

安全が保証されていない第2の理由は、新規制基準の中に地域防災にかかる基準が含まれていないことである。新規制基準が示した放射線被曝防護策は、多重防護の第4層までであり、第5層の施設外での放射線被曝防護が規制基準に含まれていない。原子力災害対策特別措置法および原子力規制委員会の原子力災害対策指針では、施設外の防災・避難計画は立地自治体および原発から30キロ圏内にある周辺自治体に丸投げされており、防災・避難計画は審査対象外である。すなわち原子力規制委員会は、メンバーの誰一人も計画の実効性を確認していないのである。「新規制基準に適合したからといって、安全は保証されない」と自認して憚らない「原子力規制委員会」のあり方は到底認めるわけにはいかない。 

 

原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁は、地下鉄「六本木一丁目駅」からほど近くにそびえ立つ「六本木ファーストビル」の13階に入居している。同ビルの前では7月から平日の正午~13時、市民による抗議行動が取り組まれている

世論の反対を無視して川内原発1号機が再稼働された。これにさきがける9日、安倍首相は「原発は何より安全を優先させる」と発している。しかし、原子力規制委員会による新安全基準は欺瞞に満ち満ちており、あらゆる観点から「原発再稼働」は看過しがたい安全と対極にある危険行為であると言わざるを得ない。かてて加えて、真夏日が続く昨今の猛暑の中でも電力は余っており、あらゆる生命体と相容れない危険極まりない原発を動かす必要は一切見いだせない。東京・生活者ネットワークは、あらためて政府・安倍首相に対して、福島原発事故の実態を直視し、脱原発社会を求める大多数の国民の声に耳を傾け、「原発ゼロ」社会に向けて舵を切るよう強く要請する。

2015811日             東京・生活者ネットワーク