外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法(入管法)改正案に関する見解

2018年12月7日 17時23分 | カテゴリー: ステートメント, トピックス, 労働, 国際・平和

東京・生活者ネットワークは第197回臨時国会で外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法(入管法)改正案の成立に反対する。

改正案によると、受け入れは人手不足が深刻な介護や建設など14業種が対象で、19年度以降の5年間に130数万人の労働者が不足し、外国人労働者の受け入れ人数は26万~34万人程度を見込む。

一定技能が必要な業務に就く「特定技能1号」と熟練技能が必要な業務に就く「同2号」の二つの在留資格を新設する。改正案が成立すれば、実習期間を終えた実習生は新しい在留資格「特定技能1号」(在留期間5年まで)を取得できることになる。しかし、技能実習制度については、酷使、違法な低賃金や賃金未払い、長時間労働などを理由とする失踪者が後を絶たないなど、人権侵害が生じており、問題は深刻だ。実習制度の問題点の改善や見直しが欠かせないにもかかわらず、実態調査は不十分なままである。そもそもの実習制度の経済発展を担う人づくりという目的からも外れてしまっているのではないか。

政府・与党は経済界の要望を踏まえ、人口減少、少子高齢化を背景とした産業界の人手不足の解消のためとしているが、来年4月の導入を急ぐあまり、制度の詳細のみならず、外国人労働者の受け入れ態勢・労働者保護のための環境整備も明らかにしていない。

参議院での審議時間は20時間45分、衆議院の審議時間の17時間15分と十分な審議が尽くされたとは言えず、国民軽視ではないか。国民や日本の将来にとって影響がある改正案だからこそ、十分な審議が行われる国会運営でなければならない。世論調査では国民の6割が今国会での成立は必要ないと答えている。外国人労働者の受け入れに向けた議論が求められているのだ。

外国人労働者も技能実習生も単なる労働力ではなく、社会権・自由権を有する「人」である。しかし、技能実習制度に見られるような劣悪な労働環境で働かせる実態からは、人権尊重の視点が欠落していると言わざるを得ない。

すでに日本の外国人労働者は過去最高の128万人となり、さまざまなサービスが外国人労働者に支えられているといっても過言でない。ともに働き、生活するものとして外国人労働者をどう迎え入れるのか、東京・生活者ネットワークは多様な民族や文化を認め合う、多文化共生社会をめざすうえで、今国会での入菅法改正案は廃案とすべきと考える。