安倍9条加憲NO!未来をつくる日本国憲法 シンポジウムを開催

2017年8月11日 14時14分 | カテゴリー: ステートメント, トピックス, まちづくり, 国際・平和, 活動報告

安倍9条加憲NO! 未来をつくる日本国憲法

立憲フォーラム/自治体議員立憲ネットワーク共催のシンポジウムから

7月31日、自治体議員立憲ネットワーク第4回定期総会が衆議院議員会館を会場に開催され、今期活動方針の承認とともに、東京・生活者ネットワークからは、共同代表の一人に西崎光子前都議会議員が、世話人に小松久子前都議会議員がそれぞれ再任、世話人にあらたに村上典子豊島区議会議員が選出された。また、記念講演「海兵隊撤去への具体的な道筋」(屋良朝博さん)を受けて、自治体議員立憲ネットワークによる「在沖縄米海兵隊の撤退を求める声明」が採択された。

続く、会場を星陵会館に移しての市民集会では、「安倍9条改憲NO!未来をつくる日本国憲法」と題してのシンポジウムが、立憲フォーラム/自治体議員立憲ネットワークの共催で行われ、参加者らとともに、「7・1」閣議決定によって破壊されようとする立憲主義と平和主義の危機に際し、安倍政権下での改憲を断固阻止・安倍政権を打倒し、「7・1」閣議決定と安保法制を廃止するために全力を尽くすことが共有された。

シンポジウム 安倍9条加憲NO!未来をつくる日本国憲法

この日のパネリストは、長谷部恭男さん(憲法学者/東京大学名誉教授・早稲田法学学術院教授)、武村正義さん(元滋賀県知事・元衆議院議員)、辻元清美さん(衆議院議員)の各氏。コーディネーターに、中野晃一さん(政治学者/上智大学教授)が登壇。

去る5月3日の読売新聞インタビュー記事と日本会議系の集会における安倍首相発言という形で安倍9条加憲論が急浮上している。憲法まで私物化か、といった事態となっているが、背景には、森友問題、南スーダン日報問題、さらには加計学園問題があり、安倍政権が求心力を失い追い詰められつつある中で、むしろこの改憲にのめりこんでいく危険性もはらんでいる。安倍さんは手負いの猛獣がそうであるように、もう少しで止めがさせる状況にある一方で、なりふり構わず突き進んでくる可能性もある。私たちは、これにどう対処していくべきだろうか。

上記の問題提起を受けてのシンポジウムでは――

立憲フォーラム・自治体議員立憲ネットワークの共催で行われたシンポジウム「安倍加憲NO!-未来をつくる日本国憲法-」。7月31日、星陵会館

○15年6月4日の憲法審査会。長谷部さん、小林節さんら憲法学者による安保法制違憲表明が引き金となって、おおぜいの市民が路上に出て声を上げた、反対を可視化するという行動が一般化した。一方で、改憲案を示さないと一人前の政治家ではないといった政権の論調に、国会議員が怖気づいてはいないか。「7・1」閣議決定以前に戻すことが問われている。

○諸外国の国民投票・憲法改正が引き合いに出されるが、ドイツ基本法に顕著なように、法律に書けばよいものがやたらと憲法に書いてある。ドイツがやたらと憲法改正するのは、法律に書いておけばすむ様なこともやたらと憲法に書いてあるからに過ぎない。

○憲法はいろいろな役割を果すが、確信的な役割としてあるのが『政治と社会との関係、その原則を記してある』ということ。現在だけでなく中長期的に、まだ生まれていない人たちとの関係を含めて守っていく原則が書かれているということだ。安倍さんの成果を認めるとすれば、立憲主義を広めたこと。左様に、政治を行う上で守っていかねばならない原則なのであり、確信的な役割である。

○かつての憲法論議では、戦争を体験した議員がいた。かつ個別的自衛権行使の範囲での改正論議が中心だったように記憶。戦争体験者が政界からいなくなる状況があり、戦後派の安倍さんや稲田さんらに至っては歯止めがかからない。政界には依然として2世、3世議員がいるが、戦争体験の継承がなされないから、その人たちのゆるさときたら信じ難い状況にある。

○安倍政権は、憲法第9条に第3項を加え、ここに自衛隊の存在を明記しようというが、現憲法には、自衛隊が書かれていないからこそ説明責任が発生する。9条がまさに典型であるが、そもそも何をしたらいいかわからないことが憲法には書いてあり、その憲法を持ってそこを説明する責務が時の政府・政治にあることが大事なのである。これが『有権解釈』(権限のある機関によって皆で行われる拘束力をもつ公権的解釈)だ。条文通りに読んで自衛隊を無くせばよいか? 現状では国民の生命・自由・財産が守れない、のであれば個別的自衛権の行使は認めようと。そして現に『7・1』閣議決定以前まではそれが行われてきた。

○原発再稼動はこれを絶対止める、少子高齢化にともなう福祉・社会保障、人口減少社会における労働力不足をどうするか。暮らし発・日々の政治課題を解決するための議論にこそ傾注すべきだ。改憲すれば政治課題が解決すると考えるのは、幻想だ。

○地域から、市民とともにゲリラ戦法で、安倍政権下での改憲絶対阻止! 安倍政治を許さない市民の意思を、継続して訴えていこう。

――などの提言とともに活発な議論が行われた。

多様な角度から議論の幅を広げ、各パネリストの有用な発言を引き出した90分。シンポジウムを締めくくるにあたって中野さんは、「今日、3氏においでいただいて改めて思うのだが、あるべき『政治』改革の議論が今や『政治家』改革に、あるべき『政治』主導の議論ではなくて単に『政治家』主導の議論に陥ってしまってはいないか。かつては、官治から民治へとか、国会の行政監視機能を高めるといった真っ当な議論があったはずだ。政官関係をどうするか、政官業の癒着をどうするか、加計問題はまさしく政官業の癒着の問題だ。その意味で今、立ち止まって見直していく機会ではあるだろう。もちろん、安倍政権打倒をどう進めるかといった局面でもあるわけで、であればなおさら、本来の民主的統制を、健全な政官関係をこそ政府に問い、切り込んでいく。安倍的改憲論議に乗っている場合ではないんだと、キッパリ表明することが重要ではないか」、と結ばれた。

立憲フォーラム/自治体議員立憲ネットワークでは、この日のシンポジウムに先駆ける7月1日、以下の声明を共有、地方議会、国政に至るリベラル議員、リベラル市民の結集を呼びかけている。

 

「7.1」閣議決定から3年  立憲主義を取り戻し、安倍政権の明文改憲を阻止しよう

7月1日、2014年7月1日の閣議決定から3年を迎える。長年にわたって定着し確立してきた憲法解釈を一内閣の閣議決定で変更し、集団的自衛権の行使を可能としようとする安倍政権の暴挙に、あらためて慢心の抗議を表明する。

そもそも、「7.1」閣議決定による憲法解釈の変更は、1972年の集団的自衛権に関する政府見解の文言を恣意的に読み替えたもので、何の法的根拠のない単なる不正行為によるものだ。自衛権の発動要件を説明するための「外国の武力攻撃」という文言から「わが国に対する」という限定が省かれていた部分があることを根拠に、「同盟国に対する」外国の武力攻撃も当初から想定されていたというのである。起案の経緯や文脈を局解した牽強付会 ( けんきょうふかい )、詭弁に他ならない。こうした法理が『昭和47年(1972年)政府見解』の中に無かったことは当時の起案者や決裁者からも明確に否定されている。

さらに安倍政権は、「7.1」閣議決定を踏まえて2015年9月19日には安保法制(戦争法)を成立させ、運用を開始している。南スーダンPKOでの駆付け警護任務、米軍防護任務など、いつ戦争に巻き込まれてもおかしくない状況がすでに既成事実化している。これらはすべて憲法9条に違反する行為である。

こうした中で安倍総理は、「憲法に自衛隊を明記する改憲」を提起し、「臨時国会の間に憲法審査会に自民党の改憲案を提出する」決意を示した。しかし、自衛隊を明記する改憲は、単に自衛隊の存在を追記するものではなく、違憲の集団的自衛権を行使する自衛隊を正当化し、なし崩し的に安保法制を合憲化するものである。

安倍総理の改憲案は、内閣法制局長官人事の慣例を破って自分の意向に従う人物を任命し、過去の政府見解を恣意的に読み替え、ねつ造の論理の上で安保法制(戦争法)の立法を強行し、海外での武力行使を可能とした「改憲クーデター」を、「憲法9条の従来の解釈は維持されている」などと再び国民を欺いて国民投票で国民を欺こうとするものである。このような改憲案を提起する安倍総理の行為自体、憲法98条等に違反し、無効と言わざるを得ない。

解釈変更・安保法制ですでに空文化の危機にある憲法9条と前文の平和主義は、自衛隊明記の改憲により死文化することになる。集団的自衛権行使の野放図な解禁がなされ、海外派兵をする国に変貌することになりかねない。戦後培ってきた平和国家は、最大の危機に直面している。

「7.1」閣議決定によって破壊されようとする立憲主義と平和主義の危機に際し、安倍政権下での改憲を阻止し、安倍政権を打倒し、「7.1」閣議決定と安保法制を廃止するために全力を尽くすことをここに声明する。

2017.7.1

自治体議員立憲ネットワーク/立憲フォーラム

 

以下は、第4回定期総会で採択された声明です。

 在沖縄米海兵隊の撤退を求める声明

 自治体議員立憲ネットワークは、戦後72年、復帰後45年を経た沖縄の現状をみるとき、日本政府による作為、不作為がいかに自治と人権、環境を害し、経済活動や県土の発展を阻んできたことか厳しく問う立場にある。選挙を通じた民意を一顧だにせず、警察等の実力を用いて住民を排除し基地建設を推し進める安倍政権の対応やこれに追随するかのような昨年の司法判決は、民主主義並びに法治国家にもとるものと批判せざるを得ない。

辺野古違法確認訴訟2016年9月16日福岡高裁那覇支部判決は、歴史的に、地理的に、軍事技術的に沖縄県以外に普天間基地を代替させる移転先はないと断じ、日本政府が唱える「辺野古唯一論」を追認した。しかし、この「辺野古唯一論」が不当に客観性を欠くことは、有力な専門家らが繰り返し指摘している。

米海兵隊は、在沖縄米軍基地面積の7割を占有し、兵力は全体の6割を占めている。県土利用の制約はもとより、戦後、復帰後、今日にわたり子どもたちまで犠牲にして繰り返されてきた凶悪事件の多くが海兵隊員によるものであったことからも、「目に見える形」で沖縄の基地負担を軽減する最優先の方策は、まず海兵隊を沖縄から撤退させることだ。老朽化した施設を造り変え、最新鋭にして本島中北部地域に集約させる「SACO合意」及び「米軍再編合意」は、引き続き海兵隊が沖縄に集中的に配備されることを前提とした内容であり、これでは沖縄県民に、この後も半永久的に「基地の島」であり続けることを強いているに等しい。

自治体議員立憲ネットワークは、2016年二度にわたる沖縄研修を通じ、沖縄との連帯を強く表明してきた。米軍基地が集中する沖縄で起きている問題の根本は、明治政府による「琉球処分」以来、太平洋戦争での「捨て石」作戦、米軍占領から現在に至る一貫した差別・切り捨て、沖縄の自立と人々の尊厳を踏みにじる歴代政府の政策と一体のものである。またその本質は、自治体議員立憲ネットワークが設立理念に据える「立憲主義」、「平和主義」、「民主主義」「地方自治」の根幹にかかわるものであり、問われているのは国民の意識と本土側の政治である。差別的施策に目をつぶり、民意に反する基地建設を国民が許容すれば、ここに沖縄との真の「連帯」、政治への信頼はない。

わたしたちは、草の根の市民の声に立脚する超党派の自治体議員集団として、その使命にかけて、人権と自治の回復を求める闘いに連帯する。この間、沖縄県民が総意として要求してきた「普天間飛行場の返還」、「オスプレイ配備の撤回」、「辺野古新基地の阻止」は、いずれも海兵隊の県外・国外移転がなければ解決できない一線上の課題であり、沖縄の人々が発してきた悲痛な歴史的叫びでもある。この命題を、「本土」において、米軍基地を抱える地域のみならず、全ての地域が深刻に受け止める必要がある。軍隊の配置を決めるのは政治施策であり、国益を盾に一地域に過重な負担を強いてこれを放置し続けることは主権国家としての怠慢に他ならない。このような国家の怠慢を、私たちはこれ以上許すことはできない。

以上、米海兵隊を沖縄から撤退させるよう日本政府に強く要求し、声明を発する。

2017.7.31

自治体議員立憲ネットワーク