2017都議選 Chance! Change Tokyo [提言]都庁の劣化は何故おこったか 豊洲市場問題にみる都政改革の課題ーー伊藤久雄(認定NPO法人まちぽっと理事/元東京自治研究センター研究員)

2017年6月28日 11時51分 | カテゴリー: ステートメント, トピックス, 活動報告, 環境, 議会改革,

2017都議選 Chance! Change Tokyo

[提言]都庁の劣化は何故おこったか 豊洲市場問題にみる都政改革の課題ーー伊藤久雄(認定NPO法人まちぽっと理事/元東京自治研究センター研究員)

伊藤久雄さん

日本の人口のおよそ10%が集中して働き、学び、暮らすまち東京、その人の数だけ問題も山積みになっている。都市部に集中する待機児童問題、2020年を境に急速に進む少子超高齢化問題、医療・介護サービスの必要度が高まる一方で不足する介護職員や医師の数、未だ明らかにされない大会運営費用・負の遺産となりかねない施設整備費など東京五輪問題、防災対策の遅れもまた首都東京が抱える大問題だ。2017東京都議会議員選挙も後半戦を迎えたこの日、NPOまちぽっと理事で東京自治研究センター理事の伊藤久雄さんから生活者ネットワークの2017重点政策『議会改革~脱豊洲』をテーマに貴重な提言をいただいた。

 

都庁の劣化は何故おこったか 豊洲市場問題にみる都政改革の課題

伊藤久雄 認定NPO法人まちぽっと理事/元東京自治研究センター研究員

都議会議員選挙をまえに小池知事の大枠の判断が示された豊洲市場問題。移転の是非は改選後の議会にゆだねられることになるが、しかし、豊洲市場問題の本質は現在の都政のあり方にあると私は考えている。それは2点である。

北多摩第2区(国立市/国分寺市)の候補者・現職の山内れい子。元都議の大西由紀子、前国立市議の阿部美知子、国分寺市議の秋山あすか、岩永やす代、高瀬かおる、昭島市議のおおたけ貴恵、篠原ゆか、立川市議の谷山きょう子とともに

第一は、都庁職員の劣化であり、もちろん中央市場だけでなく都庁全体の問題である。なぜそうなったのか、石原元知事の問題は後述するとして、職員劣化の要因は事業委託の際限のない拡大と、職員のきわめて短い人事ローテーションにある。その結果、職員が専門性を失って委託事業者に丸投げし、チェック機能が麻痺してしまっていることである。

第二は、文書管理のずさんさである。東京ガスとの交渉記録や委託事業者打合せ記録だけでなく、「確認書」という公文書中の公文書までもが東京都に存在しないなどということがかつてあったであろうか。ただし、保存してあったが廃棄してしまっていたのか、そもそも保存してなかったのか、詳細は明らかではない。しかし、記録すべきものを記録せず、保存すべきものを保存せず、あるいは簡単に廃棄していたとすれば、それは犯罪行為に等しいものだ。

そこで問題は、なぜこのような都政に変質してしまったのかということである。私は石原都政の14年間の長い年月の結果であると考える。石原都政の初期には、物言う職員を左遷し、恐怖政治を敷いた。また都庁にほとんど出勤せず、浜渦福地知の専横を許した。そして次第に職員の中に厭戦気分が漂い、上からの指示に従うだけの職員が増えていった。豊洲問題はまさに石原問題なのだ。

練馬区の候補者・新人のきくちやすえ。右は元都議の山口文江。原発ゼロノミクスキャンペーン公式キャラクターのゼロノミクマくんが応援に、練馬駅前

しからば、どのように都政を改革すべきかが問題である。一例をあげよう。豊洲問題によって「意思決定過程に問題があった」として公文書管理条例が準備されている。公文書管理条例の必要性は、都議会生活者ネットワークの主張であったから、その点は評価すべきである。問題は条例の内容と策定過程である。まず、パブリックコメントに付された条例案は概要しか公表されず、条例案本文は改めて都民の意見を聞く機会を設けることはないようである。このような条例案作成過程では石原都政と変わらない。

政策や条例の策定過程は、都民との合意形成の機会を徹底し、合意形成が難しい課題は都議会での議論を尽くすことが重要である。また市区町村との政策協議の場を設けることも必要な課題である。都議会議員選挙は、時流に乗っただけの候補者ではなく、都政の現状を的確に把握している候補者にこそ投票すべきなのだ。