アイヌの遺骨はアイヌのもとへ アイヌの遺骨返還請求訴訟

2015年2月10日 16時37分 | カテゴリー: トピックス, まちづくり, 国際・平和

アイヌの遺骨はアイヌのもとへ アイヌの遺骨返還請求訴訟

出前講座「アイヌの遺骨はアイヌのもとへ」in TOKYOの後半では、今回、人権救済を申し立てたアイヌ民族の人たちが、それぞれの思いを語りました。2015年1月30日、文京区の全労連会館で

北海道大学をはじめ、全国12の大学にアイヌの人骨が1636体収蔵されています。個体数が不明の遺骨も515箱あり、収集されてきた人骨の扱いはひどいものです。

■掘り返されたアイヌの墓

北海道大学は1930年代から、北海道各地のアイヌ墓地から遺骨を発掘しました。アイヌのエカシ(長老)、フチ(おばあさん)たちは、祖先に叱られると抗議しましたが、相手にされず、時には真新しい遺体から遺骨を収集することもありました。

■抗議するアイヌ

2008年、アイヌの小川隆吉エカシは、情報公開法によって、北大からアイヌ人骨に関する資料を引き出し、人骨をめぐる実態が明らかになってきました。2012年、小川さんら3人の原告は「遺骨返還」を求めて北大を提訴しましたが、今も係争中です。

■政府のアイヌ政策

2008年、政府は「アイヌ政策推進会議」を作り、2012年、オリンピックまでに北海道白老に「民族共生の象徴となる空間」を作り、そこにアイヌ人骨を集めようという構想を公表しました。アイヌの遺骨はコタンに返せと主張するエカシたちの声を無視する政策です。

■人権救済申し立て

アイヌ民族は北海道を中心に、先住してきた民族であり、遺骨をコタン返せという主張は、アイヌの先住権を認めさせる運動でもあります。アイヌ人骨問題にかかわるアイヌや和人は、日本弁護士連合会に人権救済申し立てを行いました。アイヌ人骨問題を解決するには多くの支援が必要です。

(北大開示文書研究会共同代表・殿平善彦さんのレポート 生活者通信№281 2015年2月1日号より)

 

会場との質疑応答。左から、植木哲也さん、榎森進さん、市川守弘さん、差間正樹さん

1月30日の夜、北大開示文書研究会が主催する、出前講座「アイヌの遺骨はアイヌのもとへ」in TOKYOが、文京区内で開催され約100人が参加しました。

講座は、アイヌ遺骨返還訴訟原告の差間正樹さん(浦幌アイヌ協会会長)のメッセージから始まり、講演1「アイヌ民族の遺骨を欲しがる研究者」は、植木哲也さん(苫小牧駒澤大学国際文化学部教授、『学問の暴力 アイヌ墓地はなぜあばかれたか』著者)、講演2「アイヌ民族の先住権を認めたくない政府」は、榎森進さん(東北学院大学名誉教授、『アイヌ民族の歴史』著者)、講演3「先住権・憲法から解きほぐす遺骨返還」は、市川守弘さん(アイヌ遺骨返還訴訟弁護団)のお話でした。

閉会にあたってアピールする、北大開示文書研究会共同代表の清水裕二さん。左から二人目は、同研究会共同代表の殿平善彦さん

国連総会は、2007年9月13日に、「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択しました。宣言には143カ国が賛成、4カ国(アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ)が反対。日本は賛成票を投じています。宣言では、先住民族が「いかなる差別」も受けるべきでないと述べ、「先住民族の固有の権利」や自己決定権を認めています。アイヌ民族の権利について新たな施策を実施する場合、この点を真っ先に確認することが必要ですが、日本の政府は、この確認を意識的に避けている、と榎森進さんは指摘します。

東京・生活者ネットワークは、「アイヌの遺骨返還請求訴訟」を支持し、この問題を多くの人に知らせる活動に協力していきます。

 

北大開示文書研究会発行のパンフレット「アイヌの遺骨はアイヌのもとへ」

★遺骨問題のパンフレット 1部100円 申込先 〒077-0732 北海道留萌市宮園町3-39-8 三浦忠雄 E-mail ororon38@hotmail.com

北大開示文書研究会