江戸川で油田開発?

2008年12月9日 11時47分 | カテゴリー: 活動報告

 近未来に確実にオイルピークはやってきます。今年の夏は、原油価格の高騰でガソリンが値上がりし、日本経済に大きな影響を与えました。持続的なエネルギーについて、真剣に考えなければならない時代に私たちは生きています。

 タイトルの「油田開発」という言葉。江戸川区内で実際に油田を掘っているわけでは、もちろんありません。地域のお店や家庭から発生する使用済みの食用油は、廃棄せず「資源」としてバイオディーゼル燃料に変えることができます。お店や家庭には、使用済みの食用油が必ず存在します。ということは、地域にバイオディーゼル燃料の原料=油田が存在するわけで、廃油回収は油田開発ということですね。
 このバイオディーゼル燃料は、軽油と比較すると環境負荷が非常に少なく、植物から作られた食用油が原料であるためCO2の排出量はゼロカウントです。

 精製の過程は、廃食油に苛性ソーダとメタノールを加え化学反応(メチルエステル反応)を起こさせ、そこでできたグリセリンを抽出、さらにお湯を加えて残るアルカリ分を取り出し脱水するというもの。これで廃食油がバイオディーゼル燃料に生まれ変わります。決して難しい技術ではありません。
 精製時に発生するグリセリンは燃料として再利用され、アルカリ分は工業用せっけんとして使うことができます。

 廃油回収からバイオディーゼル燃料を製造し、利用する循環システムを地域に広げるために、地域の環境NPO、行政、運輸会社などが連携し「えどがわ油田開発プロジェクト」を2006年12月に立ち上げました。 現在、農水省のモデル事業にもなり、「えどがわ油田開発プロジェクト地域協議会」として、本格的に廃食油の回収促進とバイオディーゼル燃料の利用拡大をすすめています。
 バイオディーゼル燃料の製造を行なっているのは、エコデス株式会社で、上の写真がそのプラントです。廃食油の提供者は、区内小中学校やお弁当屋さん、お豆腐屋さん、お蕎麦屋さん、企業の社員食堂などです。
 家庭からの回収については、回収量を一定規模にする必要があるため、現在は、社宅など回収保管管理が可能なところに限っています。
 いずれにせよ、このプロジェクトを地域にもっと知ってもらい、「点」ではなく「面」で広がっていくことが望まれます。もちろん江戸川・生活者ネットワークのメンバーもこの拡大を支援しています。

 バイオディーゼル燃料利用を促進するには、税金の問題などの課題解決に向けての取り組みも必要です。
 バイオディーゼル燃料100%使用の場合は非課税ですが、軽油を混ぜた場合は軽油取引税の対象となります。しかし、軽油とバイオディーゼル燃料の混合は、脱税を目的とした不正軽油とは明確に違います。
 バイオディーゼル燃料と軽油の混合の場合は、バイオディーゼル燃料分を非課税扱いにさせるなど、地域のていねいな取り組みで、バイオディーゼル燃料を社会的に認知させていく必要があります。

 同じバイオでも、食料と競合し、農産物の高騰を招く多国籍企業の開発によるバイオエタノールではなく、地域の資源循環である廃食油のバイオディーゼル燃料をしっかり応援したいものです。

東京・生活者ネットワーク広報委員
元江戸川区議会議員 奈良由貴

〔写真下〕えどがわ油田開発プロジェクトが催行したエコツアー参加者。ツアーに利用したバスは、てんぷら油の廃油で走っています。